様々な事件に慣れっこになっている昨今でも、驚くと言うよりあきれるばかりなのがフォルクスワーゲン排ガス不正問題だ。
測定の時だけ正規の対策が作動するようにしたソフトウエアを搭載、クリーンディーゼルと謳っていたのだから悪質きわまりない。我が国でも三菱自動車のリコール隠しや、石原都知事時代のディーゼル車問題提起に伴う、排ガスの粒子状物質除去装置(DPF)の性能を偽って三井物産が販売した事件があった。三菱トラックでは、東名走行中突然ブレーキが効かなくなり、とっさの判断でガードレールに擦りながら停止させた事故があった。三菱自動車は欠陥を認めず裁判になったが、国交省のリコール一覧に記載があるにも関わらず、三菱自動車のホームページのリストには載っていないなど不審を極めた。結果は和解金による解決になったが呆れたものだった。しかし今回のフォルクスワーゲンの「事件」は、その対象台数といい悪質性においても徹底的な究明と対価を払わせなければならない。
ここで車の排気ガス規制の経過をおさらいしたい。我が国は高度成長に伴ってモータリゼーションが進み、その結果排気ガスによる大気汚染が激しくなり東京の環七ぜん息など健康被害が顕著になった。また今回特に問題になったNOX(窒素酸化物)が原因の光化学スモッグによる被害も深刻だった。昨今は聞かないが光化学スモッグ予報まで出される状態だった。しかし日本での対策は主にメーカーの抵抗でなかなか進まなかった。一方アメリカ、特にカリフォルニアではマスキー法による極めて厳しい排ガス規制が実施された。当時不可能とまで言われるほどだったが、ホンダはCVCCと命名した独自の後付けでないエンジン本体の燃焼プロセス見直しによって合致させた。他社はほとんどが高価な白金による触媒コンバーターの後処理だった。これによる走行性能と燃費の低下もかなりあり、価格は高くと三重苦状態になった。各車とも横浜市磯子区にあった横浜プリンスホテルへの急坂を上るのが一苦労といった状態だった。
こうした技術の積み重ねの中でトヨタが実用化したのがプリウスに代表される電動モーターとガソリンエンジンのハイブリッドだ。しかしわが国の評論家はなかなか自国の技術を評価せず、隙間技術だとかストップアンドゴーが多い日本なら有効だが高速走行のヨーロッパでは役に立たないなどであった。しかし環境問題に関心の高いアメリカ俳優のレオナルド・デカプリオが、オスカー会場にプリウスで乗り付けるなどを見て一転評価と言ったことがあった。また近年24時間耐久レース、ル・マンでトヨタだけでなくアウディ、ポルシェもハイブリッドマシンなのである。自国の技術を正当に評価しないという自虐的思考からなかなか脱出できないのは困ったことだ。
こうした環境技術に元々ディーゼル車の比率が高いヨーロッパはクリーンディーゼルあるいは小排気量エンジンにターボを組合わせるダウンサイジングターボが主流となった。その中で急速にシェアを伸ばしのがクリーンディーゼルのフォルクスワーゲンだった。この過程で不正(犯罪)を犯したのである。ウエストバージニア大学に測定を委託した環境団体は、当初その優秀性を確認しようとしたのだそうだ。ところが何と基準を満たしているどころか、最大40倍もの汚染物質を垂れ流していたことが判明した。ちなみにポータブル測定装置は京都にある堀場製作所。報道によれば、ソフトウエアを作ったのはボッシュでありVWに違法性がある旨伝えていたという。会社の釈明は一部の者の関与だとか、およそ真摯に取り組もうとしているのか疑わしい状態が続いている。アメリカの司法省、ドイツの検察当局が動いているのは当然だ。日本ではこれから予定されている東京モーターショウで、ディーゼル車の披露の予定だったが取り止めせざるを得なかった。
前述の様に今日まで各社様々不正行為があって、有名だからと信頼はできないことが分かる。分けても日本人はブランドに弱く、ドイツ車というだけでありがたがってしまう。かつてアメリカで日産フェアレディZ(240Z)が成功を収めたのは、アメリカ人は価値判断ができるからだ。ポルシェの半値で同等の性能、ならフェアレディZの方がはるかによい、となった。それから数十年未だに日本人はお人好しなのだ。
話題は変わるが横浜市都筑区の三井不動産グループが分譲した大型マンションでの不法工事による欠陥露呈でも、大方の人は以前姉歯建築士による構造計算書偽造問題のヒューザーに比べれば三井だから信用したのだろう。杭打ち工事を請け負った業者の親会社旭化成にしても日本を代表する企業だ。困難なことではあるが私たち一人一人がしっかりした目をもたなければならないことをしめしている。
政治についても同様。橋下某が品性を疑わざるを得ない発言を繰り返し、税金を使い勝手なことを行っていることに、善良な大阪市民は明確にノーを来るべき市長選挙で示す必要がある。
*Wikipediaから

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