2014年7月25日金曜日

中国食品問題

上海福喜食品が期限切れや、中にはカビの生えた肉製品を日本マクドナルド、ファミリーマートに年間6千トンも納入していた事件は、改めて食の安全について考える切っ掛けになった。2008年福田康夫内閣時に起こった殺虫剤入り餃子事件は今も鮮明に記憶されている。そして当時の中国政府の対応は、当初原因は日本側にあるとするなどおよそ誠意のあるものではなかった。日本人は喉元を過ぎればすぐ熱さを忘れてしまうお人好しの性分から脱却できず、中国のみならず韓国にも舐められる結果を招来している。危険ドラッグ所でない危険食品、中国でメラミン入り粉ミルクによる乳児の、また中国製ドッグフードによるアメリカでのペット大量死と枚挙に暇がない。また中国各地での公害問題や下水から油を抽出、食用として用いるなどおよそ想像も及ばない実態のレポートも目にしてきている。

工業製品との違い
家電など工業製品は日本に限らず、有名メーカーの中国工場製はそのメーカーが品質保証を行うのであまり問題がない。因みに私が愛用しているフィリップスの携帯シェーバーは10年を越えているが正常に使用できている。気付かない内に我々はこうした形で中国製造の物を買ってはいるが、中国ブランドに何があるかすぐには答えられないのではないか。三洋の白物家電を買収したハイアール、IBMのPCを買収したレノボぐらいだろう。今回事件の食品加工会社は米食肉大手OSIグループ傘下、又日本への商社は伊藤忠商事と工業製品なら先ず問題がないと思われる形態ではあった。それが崩れた衝撃は大きい。検査、監視といっても24時間365日いや閏年の366日はできない相談だ。翻り我が国でもかつて森永砒素ミルク、カネミ油症、辛子レンコン事件など大きな被害を出した事例がある。また食品偽装事件なども根絶には至っていない。しかし中国で散見される事件ほど悪質な例はみない。その国の国民性、道徳規範にまで考えを致さないととうてい解決には繋がらない。かつてアメリカでチャイナフリー生活実験を行った女性評論家がいたが、金額の問題ではなく不可能が結論だった。ならばどうするか、教育から道を付けなければならないだろうが、力で現状を変えようとし、覇権主義を隠そうともしない現中国政府に道徳を求めるのは、昔秦野章が「政治家に道徳を求めるのは八百屋で魚を求めるようなものだ」と喝破したが同じことだろう。さらに今回米国資本だったことから外資叩きに走り、日本叩き同様本質をずらそうという中国マスコミの動きにも注意が必要。孔子や孟子はどこの国の人だったのだろうか。

製造現場の実状
横浜の老舗パン製造会社社長が、技術指導のため中国に招かれ、半年赴いた経験をつぶさに伺ったことがある。以前とはいえその経験談は想像を超えるひどさで、衛生思想、就労態度、規範意識いずれをとってもとても社長の許容範囲を超えていて、以後の付き合いを絶ったそうだ。

国民の知的レベルのかさ上げは容易にできるものではない。トウ小平が先ず富める者から富んで全体のレベルアップを図れ、といい経済発展を期した。しかし今に至っても、いやさらに拝金主義に犯されている。井戸を掘った人を忘れてはならないといったのは誰だったのか、思い出さなければならない。

安全をどう確保するか
前述のように24時間監視が非現実なのだから、食品衛生法の厳格な適用はもとより、食材全数の細菌検査を初め全ての項目の実施を通じ少なくとも医学的危険性の排除が必須だ。

世界情勢は東西対立の時代より複雑かつ危険に満ち、我が国東対岸の御しがたい国々との対応を過ちなく行わなければならないことを、今回の事例をも通じて私たちは認識しなければならない。

*日本マクドナルドHP告知

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