今年の三賀日は暖かい好天に恵まれ穏やかに過ぎたが、どんな年になるのか例年になく予測が難しい年明けになった。
先ずはトランプ大統領の誕生だ。1月20日、就任式の前からトヨタのメキシコ工場に対する口撃。安倍首相と就任後の電話会談が終わったかと思えば、製薬会社経営者との懇談の折り日本、中国を名指ししていわれのない為替操作批判。大統領選後初の首脳として就任前の会談で、安倍首相が信頼関係を築けると言った割には、事実を知らずしてかの非難を繰り返すトランプ流に困惑せざるを得ない。商売人の交渉術でこれから各国と同様対応を採るとすれば無用の軋轢を生じるだろう。
国内でもイスラム圏7カ国からの移民一時受け入れ停止は、国の分断を悪化させているが意に介さない。テロリストの侵入を阻止する方策は必要だが少々乱暴だ。アメリカは名の通り合衆国でそれぞれの州は州兵を持つ国のようなものだ。しかし大統領令一時差し止め決定が、一地方のワシントン州シアトル連邦地裁で出されると全米で適用されるのは、我が国では考えられない。三権分立の原則が貫かれるアメリカ民主主義の原則が貫かれるアメリカ民主主義で不思議の国の一例でもある。
マティス国防長官による日米安全保障条約第五条の確認、日本が手本と駐留経費負担を評価など満点といえる対応だが、予定される首脳会談でトランプ大統領からなにが飛び出すか予想は難しいだろう。ブッシュ大統領に招かれた小泉総理以来の、エアフォースワン搭乗でフロリダの別荘に招待され、ゴルフも大統領からの誘いの由だがからめ取られないようにしてもらいたい。
TTPは元々安倍総理も野党時代むしろ懐疑的だった。オバマ前大統領に突き上げられいつの間にか推進役になっていた。多国間の複雑な利害を調整、アメリカのフロマン通商代表と当時の甘利担当大臣の緊迫したやりとりは記憶に新しい。トランプ大統領は2国間通商交渉にするといい、嘗ての日米構造協議を想起する。何れにしろ一喜一憂は不要でそうでなければ相手の思う壺にはまることになる。
大統領の政策には不透明感が漂う。プーチン大統領を評価し、イスラミックステート (IS)壊滅のためにシリア協調を模索している。しかしユダヤ教の夫に従い改宗した最も信頼しているという娘イヴァンカもあって親密なイスラエルはシリアと対立している。ここでも多連立方程式を解く複雑さが存在している。
こうしたことから拙速は戒めなければならず、思い起こせばオバマ前大統領の初期にはどうも日本より中国に近いのではと言われていた。人によってはトランプ大統領と会談自体急いではならないとの意見もある。中国は対応を熟考中だろう。
幸い安倍内閣の支持率は高く、先進7ヶ国中でも長い任期になっていることを活かし、腰を落ち着けての対処に期待したい。
0 件のコメント:
コメントを投稿